ヤマダ:か、神の生まれ変わり!?
チネン:…それは…ホントに?いや、でも確かに1000年前に行けるぐらいの時の魔法は、もう神レベルだよね?
タカキ:すっげぇじゃん!
アリオカ:世界には、凄い人がいるんだね!
イノオ:…うわぁ…凄いな…。
ナカジマ:…大陸ごと移動出来る魔法を使えたり、1000年の時を越えられる魔法…魔王まで圧倒するなんて…。
ヤオトメ:…ほっとした。じゃあもう、魔王はいないんだね。
ヤブ:そうだよ…もう、魔王を恐れなくていいんだ…。
上:いや、魔王は生きてる。
獣人達:え!?
亀:魔王は勇者達の仲間になったんだ。
中:今は勇者達と旅をし、沢山の、大切な事を学んでいるんだってさ。
上:…お前らからしたら、自分達の故郷を滅ぼした魔王が生きてるって嫌だろうな。
ヤマダ:…正直、理解に苦しみます。
チネン:…ですが、何か理由があってのことなんでしょう?
亀:魔王は、人間の、悪の魂が膨れ上がると現れる。共通の敵に対し、人々は協力し合い、勇者達が魔王を倒すと世界は平和になり、人々は仲良く暮らす。そしてまた人々は次第に争うようになり、悪の魂が膨れ上がり、また魔王は現れる…。魔王いわく、世界はこれの繰り返しだったらしい。
タカキ:え…じゃあ…魔王を創り出しているのは…人間達…ってこと?
中:今回、勇者達は、魔王と戦い、そして魔王の心に触れ、魔王と仲間になった。だから、今までの伝説とは違う、新たなストーリーが始まったんだ。
アリオカ:そうか…だから倒さなかったんだ…。
上:人々がまた争うようになり、悪の魂が膨れ上がった時、今までのように、その悪の魂の矛先だった魔王はもういない。その時、俺達はどうすべきか、考えなくちゃいけないんだ。これは、魔王を倒すことより、ある意味難しいかもな。
ヤブ:…確かに…難しいな。
亀:今…魔王がいないストーリーが始まったことにより、世界に異変が起きているらしいんだ。
上:勘の良いやつらは、もう、その調査をしているらしい。
中:君達は、何か異変を感じないか?
イノオ:…空気が変わった気はしてた…。
ナカジマ:うん…そんな気はしていた…俺達獣人は、人間よりも獣に近い分、感覚が鋭いんだ。だけど、具体的に何がどう…というのはわからなかったんだ。
ヤオトメ:…いつもより、何だか…空が騒がしいっていうか…でもイヤに静かな時もあって…。
ヤマダ:…魔王の事が、関係あったのかもしれないんだね。
チネン:…今はまだよくわからないけど、俺達も何かあれば協力するよ。
亀:ありがとう。