(世界のバグを調べるもうひとりの勇者達)
ト:崖の上に戻ってこれたのは良いけど、さっきのドラゴンもういないっぽいな。
カ:チッ!逃げやがったか…!
ハ:何か食べれるものを探そう。
カ:あっちのジャングルに行こう。
ト:あ、なんか甘い匂いがする!
カ:ん?…どこだ?………………………………あ!
ハ:わぁ!
ト:あまあまデカバナナだ!
カ:でっけえバナナだな!
ハ:バナナ一本でも5メートルはあるね!
ト:助かったぁ!
カ:よっしゃ!食べようぜ!
ハ:食べよう!
ト、カ、ハ:いっただっきま〜す!
ト:あま〜い!!
カ:くぁー!うんめー!!
ハ:とっても美味しいね!
(ガサガサ)
カ:…ん!?
ト:…どうしたの?カザポン?
カ:…なんかいるな。
ハ:え!?
?:…しぶとい人間達だな。
カ:何者だ!?
?:私の名はトゥルー。アルバストゥルアイズサフェードドラゴンだ。
ハ:アルバストゥルアイズサフェードドラゴン!?神龍じゃないか!!
ト:え?人間だよ?
カ:智慧のあるモンスターの中には、魔法で人間の姿に化けるやつもいるからな…。
ト:へ〜。賢いやつなんだな!しっかし美しいやつだな〜!
ハ:そうだね!美しい銀色に近い白に、金のメッシュが入った長い髪…美しい蒼い瞳…キレイだなぁ!服も、どこかの王族のような白を基調とした物だね…。
ト:マジ王子様な感じだな!
カ:…お前、もしかして、さっきのドラゴンか?
ト、ハ:え!?
ト:そういえば、腹減ってたからあんまり意識してなかったけど、さっきのドラゴンもキレイだったな!
ハ:僕達、神龍を食べようとしちゃってたんだね!
カ:まぁ俺様達には相応しい飯だわな!
トゥ:…やはり追い払うだけで済まさない方が良かったか…。我が主や勇者様達と同じ人間だからと慈悲を掛けたのが間違いだったか…。
ト:え!?勇者!?
トゥ:貴様達は勇者様達と同じ人間とはいえ、やはり異なる存在だ…これ以上私を喰おうとするならば容赦はしない。
カ:…なぁ!お前、勇者シーハ達の知り合いか!?
トゥ:?…そうだが…?
カ:じゃああれだ、喰おうとして悪かったな!
トゥ:?
ト:俺はもう一人の勇者、トーマだ。
トゥ:!?
カ:俺様は黒の魔導師カザポン。
ハ:僕は戦士ハセジュン。
トゥ:もう一人の勇者?何を言っているんだ?勇者は一時代に一人のはずでは?
ト:俺は大天使マリウスに勇者だと教えられた。お前が知ってる勇者はエクスカリバーに選ばれた方の勇者だろ?
トゥ:そうだ。私の知る勇者シーハはエクスカリバーに選ばれたと聞いている。
カ:お前が勇者の知り合いなら喰うのはマズイ。見逃してやるよ!
トゥ:…私を目の前にしてその傲慢不遜な態度…面白い…我が主とは正反対だがなぜか興味が湧く。
ハ:我が主って?
トゥ:勇者様のパーティーにおられる、魔法使いチーゴー様だ。魔王すら圧倒する程の実力を持ちながら、欲はなく謙虚に振る舞われる素晴らしい御方だ。時折表出されるユーモアも素晴らしい。私の些々たる価値観など、いとも容易く破壊される…だが私はそれが心地良い…。私があの御方の魅力を語り尽くせはしないが、私はあの御方を崇拝し、主と定めたのだ。
ト:結構語ってたよな…。
ハ:そうだね。
カ:ふ~ん…。
トゥ:それにしても、もう一人の勇者とは…。3000年程生きているが、初めて出会うな…。
ト:3000年!?
ハ:凄いね!
カ:そんだけ生きてりゃお前、今の世界に起こっている異常なんかには詳しいんじゃねぇの?
トゥ:…それを知ってどうする?
カ:さぁな。俺様達は、龍を祀る王国に調査を依頼されただけだ。調査結果を知りどうするかは、もうお偉いさん方の判断だよ。
トゥ:龍を祀る王国…。
ト:…知ってるのか?
トゥ:私がかつていた国だ。
ト、カ、ハ:え!?